(書 名) |
POWERMOOK 《精神医学の基盤》[1] |
(副 題) | |
(編 者) | 責任編集 石郷岡純/加藤 敏 |
(著 者) |
精神病理学と精神薬理学という、一見対立軸と考えられがちな領域をクロスオーバーさせ、今日の精神医学に新たな展望を切り拓く。精神薬理学にとっても精神病理学にとっても重要な論点が斯界の第一人者らによって追究される。新しい世代の精神科医療従事者のための、ハイレベルな精神医学入門。精神医学における異色のトピックスを追究する精神科ムックの第1弾。 |
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2015. 1 学樹書院 ISBN978-4-906502-50-9 C3347 B5判/229頁/定価¥4000+税 |
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目次 | 本書について | 著者について | 書評・その他 |
精神医学のMOOK版の新たな書籍として「精神医学の基盤」がスタートした。記念すべき第1号の特集は「薬物療法を精神病理学的視点から考える」である。「精神医学の基盤」では精神医学における重要なテーマを斬新な切り口で俎上に載せていく予定であるが、第1号で選ばれたこのテーマは、今日の精神医学を語る際に避けては通れないばかりでなく、あらゆる議論のスタイルを象徴的にあぶりだす作用があると思われる。それは、薬物療法と精神病理学の双方が様々な意味で対立軸を内包しているからである。すなわちこの両者は、病理の解明と治療学といった研究目的の方向性も異なり、また方法論においても異なっていて、あたかも人類の知的活動の多様性の歴史をそのまま代表しているように見え、専門家集団としても異なっている。しかし、個々人においては両者が分裂しているわけでもなく、一方のみの思索に限定しているのでもない。 目次 I. 薬物療法の精神病理学的意義 「遺伝子-言語複合体」としての人間に対する薬物療法を考える 薬物療法と精神病理学 コラム:精神医学における仮説の構築と検証 …… 森田邦久(九大、科学哲学) 薬物療法の進歩に精神病理学はいかに寄与したか 操作的診断カテゴリーと疾病概念の齟齬 ― 治療学との関連性をどう考えるか 統合失調症の薬物療法における精神病理学的意義 うつ病の薬物療法における精神病理学的意義 薬物療法の前提としての双極性障害の精神病理学 不安障害の薬物療法における精神病理学的意義 ― 神経症概念の治療学的有用性 児童・思春期の薬物療法における発達心理学的意義 精神病理学・症候学的視点から高齢者の薬物療法を考える II. 精神科治療のメカニズムと精神病理学 精神病理学的視点から見た統合失調症の回復と治療 薬物療法における回復論再考 ― ドパミン神経系のレジリアンスにおける役割の重要性を通して なぜドパミンD2 受容体遮断薬は抗精神病薬となりうるのか? モノアミン増強薬はなぜ抗うつ薬となるのか 精神科治療におけるレジリアンスの思想 精神病理学の今後の可能性 エッセイ= 松下正明、濱中淑彦、Luc Ciompi 協賛企画= Clozapineの導入と日本の精神科医療 |
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