POWER M POWER MOOK シリーズ

刊行開始! (2015年1月創刊)

近年の精神医学をめぐる情勢の変化には目を見張るものがあります。反精神医学運動が隆盛をきわめ、精神科疾患が社会運動の脈絡のなかで捉えられた時代、力動的精神医学が大きな影響力を駆使した時代、非定型抗精神病薬の登場により脱施設化が精神科医療の大きな課題となった時代、精神科における基礎研究の進歩が注目されはじめた時代。これらのどの時代をみても、診断と治療に加え、精神科臨床においては精神病理学が重要な役割を果たしてきました。しかし、臨床から乖離した思弁的・哲学的な精神病理学の展開や、より実証的な生物学的精神医学の台頭が精神病理学の存在意義を大きく後退させてしまった感は否めません。しかしながら、さまざまな課題に直面する今日の精神科臨床に、精神病理学的な観点と生物学的精神医学の観点の融合が求められていることは間違いないといえましょう。
また一方、近年の精神医医学と社会との関係についても、臨床医学だけでなく、医療経済学や医療社会学の観点からも、医療現場では従来とはまったくアプローチが求められる時代が到来しているように思われます。
この時代、改めて精神医学の基盤とみなされるさまざま問題点に目を向け、従来の常識にとらわれない編集方針による雑誌形式の斬新なシリーズの実現を目指したいと願っております。(学樹書院)


●●年2回(2月、7月)刊行、特集(MOOK)形式、200〜260p  発行所 学樹書院 


特集企画(責任編集者)

(1) 薬物療法を精神病理学的視点から考える (石郷岡純/加藤敏) 2015.1
(2) うつ病診療の論理と倫理 (田島治/張賢徳)  2015.7 

(企画進行中)

(3) 精神医学におけるスペクトラムの思想 (村井俊哉/村松太郎) 2016.2